前回の投稿で自転車の盗難についてしたためましたましたが、新たに驚嘆のニュースが舞い込んできました。
サドル窃盗疑い「収集楽しく」 男逮捕、25年で5800個か
大阪府東大阪市で自転車のサドルを盗んだとして、河内署は28日までに、窃盗の疑いで静岡県沼津市、トラック運転手須田広昭容疑者(57)を逮捕した。署によると「約25年前に仕事のストレス解消で東京や大阪で盗み始め、収集がだんだん楽しくなった」と容疑を認めており、署は須田容疑者が借りていた貸倉庫からサドル約5800個を押収した。
署によると、これだけの量のサドルを押収するのは異例。大半は一つずつポリ袋に入れられて保管されていた。須田容疑者は各地をトラックで回りながら、都市圏を中心に、行く先々でサドル窃盗を繰り返していたとみられている。(2020年2月28日 共同通信)
記事によると犯人の男は静岡県沼津市の57歳のトラックドライバーで、東大阪で自転車のサドルを盗み逮捕されました。自転車のサドルの盗難は割りと多く、須田のように犯行を繰り返すケースも珍しくありません。驚愕ポイントは、須田が30歳ころから四半世紀にわたり、5800個という膨大な量の自転車サドルを倉庫まで借り、行く先々から収集していたという異常性が格別である点です。
▲ 朝日新聞 2020年2月29日 大阪 朝刊
須田以外にも、この10年内に男性容疑者が自転車サドルをターゲットとした犯罪が発生しています。
① 2013年4月 横浜 サドル盗事件 近藤丈司(35)
② 2019年10月 東京 大田区 サドル盗事件 羽鳥秋夫(61)
③ 2018年6月 長野県議 自転車サドル器物破損事件 生出光(28)
【ケース①】近藤 丈司
女性の自転車のサドルを盗んだとして、神奈川県警山手署は24日、窃盗の疑いで、横浜市中区立野、無職、近藤丈司(じょうじ)容疑者(35)を逮捕した。
1月ごろから、女性が使っているとみられる自転車から革製のサドルだけを選んで盗みを重ねていたといい、同署は自宅からポリ袋に入ったサドル計200個(計120万円相当)を発見、押収した。(2013年8月25日 サイクリスト)
【ケース②】羽鳥 秋夫
自転車のサドルを盗んだとして、警視庁蒲田署は窃盗の疑いで、東京都大田区南六郷、アルバイト、羽鳥秋夫容疑者(61)を逮捕した。同署によると「去年の夏ごろにサドルを盗まれて買い直し、他人に同じ思いを味わわせてやろうと、腹いせに盗むようになった」と供述している。
自宅からサドル159個を押収。羽鳥容疑者が自転車の前かごに複数のサドルを入れて走行する姿が防犯カメラで確認されており裏付けを進めている (2019年10月3日 産経ニュース)
【ケース③】生出 光
長野地検は21日、器物損壊罪で元長野市議の生出光容疑者(28)=長野市伊勢宮=を起訴した。認否は明らかにしていない。起訴状によると、生出被告は1月30日午後11時50分ごろ、市内の住宅敷地に駐輪されていた自転車のサドルに体液を付けて汚し、損壊したとしている。器物損壊容疑で5日に逮捕されており、同7日に市議を辞職していた。一方、県警長野中央署は21日、強制わいせつの容疑で生出被告を再逮捕した。逮捕容疑は4月19日午後7時40分ごろ、市内の路上で、通行中の10代の女性の身体を触るなどしたとしている。関係者によると、生出容疑者は、いずれの事件についても、容疑を認めているという。(産経ニュース 2018年6月21日)
近藤・羽鳥の両氏と須田の犯行は、時期及びエリアが重なります。
須田は近藤・羽鳥と熾烈なサドル盗合戦を繰り広げていたということになります。
最も早く逮捕されたのは近藤ですが、須田は近藤がまだ小学生の頃の1990年代半ばから、25年間も捕まらず犯行を繰り返していました。逮捕時に発見されたサドルの個数は、近藤が200個、羽鳥が159個、須田が5800個です。須田の犯行はまさにけた違いで、単純計算で年232個、3日に1個のペースで収集していたことになります。
サドルの盗難対策としては、クイックレバー式のシートクランプをナット止め式のモノに変更する方法やサドルにロックを付けるといった方法が考えられます。
▲ TIOGA「SADDLE KEEPER」
サドルが盗難にあう場合はだいたいシート棒も一緒に盗まれてしまいます。シート棒は乗っている車種によって、径の大きさの規格が異なるので厄介です。規格は0.2mm刻みで、1mmでも違うと全く合いません。もちろん目視ではサイズがわかりませんし、種類も多く、自転車店で測定しなくてはいけなくなりますのでお気を付けください。