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国内最大級の自転車スワップミート「シクロジャンブル」2023春

2023年5月21日、国内最大級のビンテージ自転車やパーツの蚤の市シクロジャンブルに行ってきました。

 

 

シクロジャンブルは大阪北部・豊中市の服部緑地公園で年2回春と秋に開催される中古自転車と部品のフリーマーケットで、西日本最大の自転車蚤の市です。1999年から毎年春秋と2回実施され、最近ではSNSの普及で出展者・参加者ともに増加、アンティークなスポーツ自転車は見ているだけでも楽しく、あまりの物珍しさに自転車に興味がない人も集まり、春の公園に賑わいをもたらしています。

 

 

会場の最寄り駅は北大阪急行「緑地公園駅」で、地下鉄御堂筋線を利用すると大阪中心部や新大阪駅からも交通アクセスがよく遠方から来場される方もいます。公園は広く、駅から公園内を歩くこと15分の「古民家集落広場」という多目的広場で毎回行われています。

出店は誰でも可能で自転車パーツコレクターから自転車関係業者など約40ブース、自転車パーツが多く、貴重なビンテージパーツから不用品まで様々な自転車関連の品々が交換取引されています。車体の出品はそれほど多くはなく、メインはロードバイク・マウンテンバイク・ランドナー・BMX・ミニベロ・クロスバイク・実用車などの部品で、ジャンルや新旧を問わず扱われています。

 

 

値札のようなものに数字が書いている場合もありますが、気になる部品があれば出展者の方に交渉してみるといいのではないでしょうか。出品者は金儲けで来ている訳ではないので、手さげ袋・小銭・メジャー・ノギスなどは持参した方がいいかもしれません。朝9時からだいたいお昼過ぎくらいまでのイベントのようですが、朝7時頃から掘り出しモノを狙っている猛者もいるようです。逆に昼近くになると、持ち帰る面倒さから安値で譲っていただける場合もあるようです。

「100000-」の値札(?)の貼られた年代物の自転車、MADE IN ITALYとフレームにあります。交渉次第では所有者から安く譲ってもらえるかも?!

あまりの風格に乗るのに気が引け、ブティックや飲食店のインテリア向きかもしれません。

 

 

かつて、この緑地公園には5年間だけ「豊中競輪場」という府営の競輪場がありました。古民家広場の北西側にあり、敷地総面積39600坪、コンクリート舗装された500mの走路と15000席の観覧席を含む30000名の収容できる施設で、1955年に兵庫県の「鳴尾競輪場」で発生した暴動事件をきっかけに知事の独断で廃止となりました。当時、競輪場では八百長騒ぎや放火略奪事件が相次ぎ、近隣の治安の悪化が懸念されていました。

 

toyonaka keirin

 

豊中競輪廃止をきっかけに府の財政状況が赤字化、さらに住之江競輪・大阪中央競輪場も廃止され、税収外収入に乏しい府市の負債が増幅していきました。現在では、関係者の努力により競輪場で騒ぎが起こることはなくなりましたが、大阪府が競輪を再開する動きはありません。

本ブログでは以前から、府営競輪の再開を提案しています。

万博後、夢洲のパビリオンを再活用し室内型バンクを敷設、カジノとの相乗効果を狙った外国人富裕層をターゲットの新しい競輪です。2016年に自転車活用推進法が成立、同法には「自転車競技のための施設の整備」が自治体にもとめらていますが、大阪市・大阪府にはこれに該当する施設がありません。2021年には「第2次自転車活用推進計画」が策定され、具体的に「国際規格に合致した自転車競技施設の整備の推進」と明記され、競輪場の整備があらゆる世代の国民のQOL(Quality of Life)の向上につながると位置づけられ、計画は要するに自治体に競輪場の「新設」を求めています。

大阪は昨年10月には全国初となるギャンブル等依存症対策基本条例も成立し、準備は整ったように思います。

ヘルメット「努力義務化」を各紙はどう報じたのか

2023年4月1日より改定道路交通法が施行され、自転車使用時のヘルメット着用が努力義務化となりました。当店でも用意していたヘルメットが完売となり、1万円以下の廉価モデルとなると6月以降の納品と長期欠品状態で、ご迷惑をおかけしております。お客様からも多くの戸惑いの声をいただいておりますが、メディアはこの法改正をどのように報じたのでしょうか。

今回の投稿では、大手新聞社各紙の大阪版の第一報を読み比べて、実状や課題点を考察したいと思います。



産経新聞

ヘルメット姿でGO  売り上げ伸び 品薄も


【掲載】4月1日 夕刊
【取材先】サイクルベースあさひ 北赤羽店、OGKカブト
【オススメ度】★★

sankei


日経新聞

自転車ヘルメット売上増

【掲載】4月1日
【取材先】サイクルベースあさひ 北赤羽店、OGKカブト
【オススメ度】★

nikkei


読売新聞

ヘルメット広がるか 費用負担 課題

【掲載】4月1日 夕刊
【取材先】サイクルヒーロー 堺駅プラットプラット店、ウーバーイーツジャパン、大阪東部ヤクルト販売 布施センター、スコープ(マーケティング会社)、桜美林大
【オススメ度】★★★

yomiuri top  yomiuri


朝日新聞

配達業者、着用促す通知・奨励金


【掲載】4月1日
【取材先】ヤクルト本社、ウーバーイーツジャパン
【オススメ度】★

asahi


毎日新聞

ヘルメット 困惑と緊張


【掲載】4月2日
【取材先】サイクルベースあさひ、大阪東部ヤクルト販売布施センター
【オススメ度】★

mainichi


しんぶん赤旗

まんまる団地

【掲載】4月5日
【取材先】-
【オススメ度】-

akahata


聖教新聞

自転車運転時のヘルメット着用 全年齢で努力義務に

【掲載】4月2日
【取材先】サイクルベースあさひ 北赤羽店、OGKカブト
【オススメ度】★

seikyo



王者・読売新聞の圧巻の報道に脱帽

1990年代には国内の発行が5000万部以上あった一般紙も、インターネットの普及や不景気の影響から著しく減少し現在ではピーク時の半分程となっているようです。それでも新聞が持つ信頼性や影響力は健在で、情報の中核的な存在として位置付けられています。

今回の法改正について各紙を読み比べ、該当記事についての所見として気になるところは取材先の重複です。国内唯一のヘルメットメーカーである「OGKカブト」に取材が集中するのは仕方ないとしても、「サイクルベースあさひ 北赤羽店」や「大阪東部ヤクルト販売布施センター」といった取り分けて特別視されていた訳ではない現場への不自然なメディアスクラムとコピペ記事に衰退メディアの本質を垣間見たように思います。

そのなかで発行部数首位の読売新聞のジャーナリズムは抜きんでたところがあるように感じます。取材力や多角な分析力、円グラフやイラスト等の構成力、ユーザーや読者側に立った明解な視座、一面と社会面からなる情報量、関連ニュースを併載する展開力など独自の記事で他紙を圧倒しています。 就活や入試など面接でニュースの所感を求められた場合に、購読紙により合否が変わってしまうという悲劇もあるように思うほどの差異です。

7月には再度、道交法が改正となりますので、また各紙を読み比べてみたいと思います。

サイクルショップ203では、新聞や各種メディアのご取材お待ちしております。個人メディアの方も含めて基本的に取材をお断りすることはありませんのでよろしくお願いします。今回自転車店の取材のない朝日新聞、しんぶん赤旗の記者の方は特にお待ちしております。素人考えで恐縮ですが、現場取材は報道機関の基本のように思います。僭越ながら、私の意見については4月1日ブログにて投稿した通りですので、法改正について併せて考察いただくようにお願いいたします。

サドルに体液、日本共産党 大西航(42)書記長逮捕

女子大生の自転車サドルに体液をつけた疑いで、元日本共産党千葉県委員会の男が逮捕されました。

 

女子大生の自転車に脅迫文を置いた上で体液をつけた疑いで、元日本共産党千葉県委員会の役員の男が逮捕された。大西航容疑者(42)は、日本共産党千葉県委員会で書記長を務めていた2022年10月、千葉県市川市のJR市川大野駅の駐輪場で、女子大生(当時18)の自転車のかごに性的な脅迫文を置いた上、サドルに体液をつけた疑いが持たれている。 調べに対し、「被害者を驚かせたかった」などと話している(FNN プライムオンライン2023.3.9 配信)

 

容疑者の大西航(42)は、日本共産党の千葉委員会にて書記長を務め、2017年の衆議院議員選挙では千葉12区より出馬、南関東ブロックの比例名簿にも名を連ねていました。調べに対して「被害者を驚かせかった」と供述、大西は1月に女子トイレを盗撮した疑いで逮捕され、党の県委員を除名されていました。

同党からは2018年にも同様の汚損容疑で逮捕者を出しており、5年ぶり2人目となります。

 

長野地検は21日、器物損壊罪で元長野市議の生出光容疑者(28)=長野市伊勢宮=を起訴した。認否は明らかにしていない。起訴状によると、生出被告は1月30日午後11時50分ごろ、市内の住宅敷地に駐輪されていた自転車のサドルに体液を付けて汚し、損壊したとしている。器物損壊容疑で5日に逮捕されており、同7日に市議を辞職していた。一方、県警長野中央署は21日、強制わいせつの容疑で生出被告を再逮捕した。逮捕容疑は4月19日午後7時40分ごろ、市内の路上で、通行中の10代の女性の身体を触るなどしたとしている。関係者によると、生出容疑者は、いずれの事件についても、容疑を認めているという。(産経ニュース 2018年6月21日)

 

両容疑者が所属の日本共産党の歴史は長く、戦前から政治活動しています。ソビエトで開催されたコミンテルン集会に参加した徳田球一らによって1922年に結党され、暴力による世界同時革命を標榜ていました。1917年ロシア革命をはじめ、1949年中華人民共和国の成立、1950年朝鮮戦争など武装闘争による国家転覆の成功事例に日本共産党も共鳴し、革命闘争綱領「51年テーゼ」を協議会にて決議、日本国内でも「大須事件」「血のメーデー事件」「吹田事件」など共産主義者による騒擾事件が各地で発生しました。

 

suita riot

 

日本共産党は1955年の第6回全国協議会(六全協)にて、コミンテルンの意向に反して軍事路線綱領を平和路線へと主義の修正を行うと、党内から思想の違いによる不満が増大、全国各地に分派した「過激派」 や「新左翼」が誕生、学生運動や暴力闘争へと発展し局所で衝突が起こりました。このような左翼活動は右肩上がりの昭和の資本主義経済やソビエト連邦崩壊を背景に縮小していきましたが、今でも一般企業や団体を隠れ蓑に細々と存続を続けて啓蒙活動や政治支援をおこなっています。

大西容疑者は生出容疑者に触発され、ゲバ棒を「自身の棒」に持ち替え、時代遅れの解放運動に陶酔したのでしょうか。今のところ、両容疑者の接点は明らかにされておらず、所属の党から声明は出されていません。難解な犯罪ですが、私の見解は両容疑者の蛮行は左翼闘争に身を投じたものではなく、単なる模倣事件ではないか推察しています。イチ自転車技士の推察ですが、縮小傾向にあるとはいえ日本共産党には2000人以上議員、30万人以上の党員所属する思いのほか大きな組織で、それだけ党員数が多ければパラフィリア障害とみられる精神疾患を患っている議員が偶然に同居することもあるということです。

 

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本ブログでは以前に女性の自転車サドルの連続窃盗犯の近藤丈司(当時35)について考察しましたが、近藤は盗んだサドルを嗅いだり舐めたりすることで自慰行為に及び「たまらなく性欲が満たされ、次々に盗むようになった」と供述しています。近藤は合計200個以上の大量の女性サドルを収集、2019年10月東京大田区の羽鳥秋夫(当時61)159個、2020年2月トラック運転手の須田広昭(当時57)5800個と同様の犯行が続いています。

また、本年1月には陸上自衛隊の自衛官・福島浩泰容疑者(40)が逮捕、聖夜に女性の電動アシスト自転車のサドルに自分の排泄物を付けるなどストーカー行為の疑いで余罪を追及されています。勤務先の静岡県富士駐屯地の広報部はマスコミの取材に「便を付けるなどの行為と業務内容とはまったく関連性はありません」とコメントしています。

 

「便をつけた行為については認める」

警察の調べに対し、男はそう供述しているという。1月10日、静岡県警御殿場署がストーカー規制法違反(汚物等の送付)と器物損壊の疑いで逮捕したのは、陸上自衛隊富士駐屯地幹部自衛官の福島浩泰容疑者(40)

静岡県東部に住む被害女性(20代)が「自分の自転車が汚されている」と警察に相談をしたのは去年の10月のことだ。捜査関係者が語る。 「最初は被害者の自宅近くに停められていた電動自転車に尿をかけられていた。被害者は洗って使っていたものの、尿をかけられることが続き違和感を覚えた。その相談を受け、警察が周辺を警戒するなどして捜査を進めていた。11月24日~12月24日までの1か月の間、複数回にわたって福島容疑者は自分の排泄物を被害者の電動自転車のサドルなどに塗りつけて汚損するなどした疑いが持たれている」警察は犯行の経緯や余罪についても詳しく調べているという。福島容疑者について富士駐屯地広報担当者はこう話す。 「令和3年3月から富士駐屯地で勤務しています。過去に処分歴もなく、勤務態度についても特に問題ありません。便をつけるなどの行為と業務内容とはまったく関連性はありません。被害者との関係についてはこちらではお伝えできません」 (集英社オンライン編集部ニュース班 1月13日)

 

 

大西容疑者の蛮行が政治思想に基づく破壊工作なのかは定かではありませんが、日本共産党の信頼を大きく汚す犯行であることは間違えありません。精神疾患なら近年ではうつ症状などに強い効果があるSSRIの投薬やお薬に頼らない行動療法といった方法もあるようです。日本共産党員及び大西容疑者が犯行を繰り返さないためにもしっかりとした措置を懇願し、模倣犯がこれ以上でないことを祈るばかりです。

「京都向日町競輪」の存廃問題

京都唯一の競輪場「京都向日町競輪場」に行ってきました。

京都府向日市は京都府南部の大阪と京都市の中間に位置する小さな市で、府が1950年から競輪を実施しています。少しややこしいのですが「向日町競輪」(むこうまちけいりん)といっても町営ではなく府営で、しかも自治体も1972年から向日となって名称だけ残っています。古くは長岡京として首都として機能し、現在は西日本最小の市ながら府下でも屈指の行財政で、近畿圏でも屈指の高級住宅地となっています。

 

muukou

 

京都には向日町ともう一つ京都市営「宝ヶ池競輪場」というのがありましたが、1958年に市議会にてギャンブル施設に頼る市政に批判が高まり、たった99日という開催日数で廃止を決議、京都市の財政は真綿のように締め付けられ、府と市の財政状況の明暗を分けています。

 

mukomachi

 

向日町競輪場は阪急「東向日駅」の西側500mにあり、JR「向日市駅」からも徒歩圏で無料の駐車場もあります。入場料は50円、走路は400mの屋外型でナイター設備も完備され、ミッドナイト競輪も実施しています。私が行った3月15日は競走開催日でガールズケイリン(女子競輪)も実施されていましたが、観客席も混みあうことはなく感染症対策もばっちりでした。

 

velodrome

 

このバンクは歴代勝利数1位の通算1341勝「競輪の神様」とされた松本勝明がホームバンクと使用し、功績をたたえ同氏の名を冠した特別競走が実施され、敷地内には通算1000勝を記念した桜の木が植えてあr…あった形跡の切り株がありました…

 

matsumoto

 

 

敷地内には売店などがあり、お茶などが無料で飲むことできます。キャッシュレスには未対応、案内や券売機も日本語にしか対応していないようです。まあ、観客は60歳以上の日本人の男性ですのでそれでもいいのかもしれませんが、それより気になるのは劣悪な施設の管理状況です。

 

 

keirin kyoto

 

塩ビ屋根は破け、壁のペンキは剥がれ、バラック店舗のトタンは錆々、舗装はガタガタ、階段はブロックが崩れ、ところどころ規制線が張られ閉鎖状態で公共施設と思えぬ退廃感があります。ノスタルジーを感じるというより「危険」を感じるほどで廃屋化寸前の状態です。

 

velodrome kyoto

 

競輪の収益というのは、税収外収入として主催自治体の一般財源として活用され、施設維持は議会で決定された予算内で行います。売上金をまず施設維持費に活用できればいいのですが、サッカーや野球場と異なりギャンブル施設の競輪場は「迷惑施設」とされ、優先的に予算を組む政策になかなか合意を得ることができません。このような状況下で、最盛期には60施設以上あった競輪場は廃止が相次ぎ43施設に減少、関西圏は特に厳しい政治判断が下され10競輪場が廃止され、ほぼすべての施設が解体され跡形もなくなっています。

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<近畿の廃止・休止の競輪場>
※カッコ内は廃止年

鳴尾競輪場  (1950)
豊中競輪場 (1955)
宝ヶ池競輪場(1958)
神戸競輪場(1961)

明石競輪場(1961)
大阪中央競輪場 (1962)
住之江競輪場 (1964)
西宮競輪場 (2002)
甲子園競輪場 (2002)
大津びわこ競輪場 (2011)

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kyoto keirin

 

このような窮状を受けて、2003年より自転車競技法が改正されプロポーザル方式で一部の業務が民間に委託することが可能になり、一般企業が施設の運営に参画できるようになりました。向日町競輪は公営競技の写真判定システムの事業を手掛ける株式会社JPF(日本写真判定)が受託、BMXパークの設置や地元の向日市激辛商店街と「KARA-1グランプリ」を開催するなど収益が健全化しました。

2007年にJPFの代表に就任した渡辺俊太郎弁護士は慶応義塾大学法学部卒で、自転車事故の紛争処理を仲介する自転車ADRセンターの委員や日本サイクリング協会の理事も務め、同社の社長だった父親の死去に伴い役員となり早稲田大学大学院にて競輪場が果たす役割について研究、「勝利」「普及」「資金」の好循環がスポーツ繁栄につながるという「トリプルミッション」というスポーツ経営理論から競輪を分析、向日町を合わせて計6施設を黒字運営しています。

 

barracks

 

全国の競輪場では、地方債か積み立てによって基金を設置、ほぼすべての施設において平成期までに大規模修繕工事が実施されていますが、向日町は全国で唯一「基金がない」という無計画な管理体制に有識者からは改善が提案されています。

運営受託のJPFも、2021年の千葉競輪場の建替の見積もりに誤算があり、見込みでは総工費60億円のところ100億円を超え、赤字負担を千葉市に請求できない契約から所有していた貸しビルを売却し資金を工面、新競技「PIST6」(千葉競輪 250)を実施するもコロナの影響で無観客開催が続き逆風状態となっています。

 

bmx kyoto

 

取り巻く状況次第では2025年以降の運営の条件が整わないことも想定され、全国で最も施設の在り方が問われる競輪場となっています。JPFが千葉競輪場のように全面的に建て替え費用を負担するならよいのですが、公営競技の着順判定という労働集約型の地道な業務から立て続けに100億円の捻出を要望するのは他力本願が過ぎるように思います。

一昨年、奈良競輪場に行った時のブログにも投稿したのですが、私は広島県尾道の県営倉庫をリノベーションしたスポーツ自転車施設「Onomichi U2」のように飲食店や物販店がある複合施設に全面修繕をする方法が最善ではないかと考えています。そのためにはまず50円の入場料を無料化し敷地をオープンスペースとて活用し、大規模修繕のための基金を設立することが絶対条件であると思います。

 

ONOMICHI U2 県営倉庫を改装した複合施設「Onomichi U2」2016年撮影

 

また、JPFの渡辺氏は早大の修士論文にて、競輪場がギャンブル施設としての存在価値が強調され、利益をもたらせなけらば廃止を検討されるという考え方が主流であるという点にも触れています。例えば、野球場は全国に8000施設ほどありますが、阪神の甲子園球場ですら赤字となっています。いわんや、大半の球場施設は利益を生みませんが、自治体が率先して廃止をしていくことはありません。しかし、競輪場は違うのです。

少し誤解を与えかねない投稿になってしまいましたが、最後に、現役の43の競輪場は全施設「黒字」であり、地域経済に大きな貢献をしていることを改めて強調しておきたいと思います。

道路交通法改正、ヘルメット努力義務化

2023年4月1日より道路交通法が改定され、自転車使用時にヘルメットが努力義務化されます。これまで、13歳未満の子供に対して保護者が着用させる交通ルールでしたが、4月からはすべての人が対象となり、戸惑いの声が寄せられています。

今回の改正では「努力義務」のため、罰則はなく基本的には着用は使用者のセンシティビティにゆだねられています。ヘルメットは交通事故発生時に頭部への衝撃を軽減するため、大阪でも2016年から条例が施行され府警などが中心となり高齢者にヘルメット着用を推奨しています。

かつては全国で年間2000件近くあった自転車事故の死者数は、ここ数年で大幅に減少し昨年は339件、およそ1日ひとりが亡くなっているという状況です。国内に自転車はおよそ6000万台あり、大阪府にはその1割の600万台あるとされています。死亡事故も約1割の年間30件ほどで、年齢別でみると高齢者の割合が高く2021年は27件中22件が65歳以上の高齢者で、20~40歳代の死者は1名でした。

 

old man
▲年齢別自転車関連事故死者数と構成率(過去5年) 大阪府警

 

自転車事故死の問題を考える上で、道路交通規則違反が事故死に直結するようなイメージをしがちで、道路環境の整備や交通ルールの順守で問題が解決できると考える人もいるかと思いますが、統計を見る限りでは状況はそう単純ではなく、高齢者が多い社会構造が根底にあるといえます。

ヘルメットを販売している立場でこれは言いにくいのですが、20~40歳代の年間死亡者数が1名なのに、使用者全員にヘルメット着用を求める政策は日常生活の利便性が失われ長い目で見ると自転車の利用者の減少につながるのではないかと懸念しています。

 

jitensha jiko

 

自転車事故が増加しているならまだ法律の改正も納得いくのですが、自転車関連事故が過去45年で最少となっているこのタイミングでなぜヘルメット着用を義務付けるのでしょうか。

国内で自転車用ヘルメットを生産する企業は東大阪のオージーケーカブトの1社のみで、大需要に対応できず現在庫は即完売状態となっています。昨年12月に決議され本年4月施行と、3ヶ月という短期日では工場の増設どころか、海外品の輸入契約ですら時間が少し足りません。さらに欧米メーカーのヘルメットはお値段が少々お高く、そもそもわれわれモンゴロイドの骨格にフィットしません。

 

helmet 2023

 

このような人命に関わる社会課題は「トロッコ問題」とされ、原発再稼働やコロナ経済など議論されてきました。自転車ヘルメットの努力義務化は寝耳に水で、いったい誰が請願した改正案なのか首をかしげたくなります。成立後にこんなこと言っても仕方ありませんが、私案としては事故増加傾向にある65歳以上を努力義務にし、推移を観察してから、必然性を判断し生産年齢層に段階的に導入した方が「ヘルメット不足問題」も緩和できたように思います。

マスクの次はヘルメットか…と悲観する方も多いと思いますが自然災害や有事の際に防災頭巾として、自転車に乗らない方も防災グッズとして確保しておくと安心かと思います。現在、一部の商品が品薄でご迷惑をおかけしておりますが、店頭在庫は確保をしておりますのでよろしくお願いいたします。

堀江には公衆トイレがありません

先月の東京・浅草で開催された合同展示会の際に、代々木上原の近くに宿泊したのですが、周辺のQOLが非常に高かったのでそれについて少し書きたいと思います。代々木上原は代々木公園の西側で、原宿駅から徒歩圏で、大阪で言うならちょうどサイクルショップ203のある南堀江に近い雰囲気を持っている暮らしやすいそうな地域です。

 

yoyogi park

 

代々木公園は明治神宮の西側に隣接する広大な公園で、公園内にはレンタル自転車があり敷設されたサイクリングコースでサイクリングを楽しむことができます。サイクリングコースは歩行者と分離されていて「歩行禁止」となっています。あたり前と言えばあたり前なのですが、大阪には歩行者が完全に「歩行禁止」のサイクリングコースはないのではないでしょうか。コースはもちろん自分の自転車を持ち込んで走行することもできます。

公園の周辺には好感度のショップや飲食店が点在し、この日は佐世保バーガー風のハンバーガー店で食事をとりました。こういうお店は堀江にもありますが、印象としては大阪に比べお客さんが多いように思います。

 

humberger

 

公園の端の道路を挟んだ西側の「はるのおがわプレーパーク」には、新しくなった千葉競輪場(千葉JPFドーム)を設計した建築家の坂茂さんがデザインした公衆トイレがあります。トイレはガラス張りで通常はスケルトンとなっていて、中から施錠すると曇る斬新な仕掛けとなっています。公衆トイレというと不衛生で暗いイメージですが、このトイレはできたばかりということもありきれいでメンテナンスも行き届いて、観光スポットのようにトイレの前で撮影をしているグループもいました。

 

tokyo toilet

 

私の行った時は冬の寒さでガラス壁のギミックが仕掛け不良になり、常時不透明な状態でしたがトイレとしての機能には問題ありませんでした。このような斬新な仕掛けにSNSなどでは戸惑いや批判的な意見が投稿されていましたが、そもそも公衆トイレがひとつも存在しない大阪の堀江と比べると管理の行き届いたトイレがあるだけ贅沢な悩みで、むしろ不思議な現象が広く知れ渡ったことでより実用的な技術開発の後押しとなったのではないでしょうか。周辺住民にとっても身近にこのような施設があることは、利便性だけでなく子供たちへの科学技術や建築への関心を促す装置となっているようにも思えます。

 

shigeru ban

 

渋谷区にはこのトイレ以外にも安藤忠雄や隈研吾、佐藤可士和、NIGOといった世界的な建築家やクリエイターがデザインした個性的な公共トイレが「THE TOKYO TOILET」というプロジェクトとして17ヶ所に設置され、メンテナンスやマネジメントされています。大阪人にとっては舞洲の1000億円以上かけたフンデルト・ヴァッサーのゴミ焼却場の悪夢がありデザイナー建築に拒否反応が出てしまいますが、同プロジェクトは税金ではなく、ボートレースの売上金による社会福祉団体「日本財団」によって手掛けられています。

清潔なトイレというものは誰しもが渇望するもので、近年ではSDGs(持続可能な開発目標)という人類の17の課題のひとつとなっています。大阪万博を2025年に控えて堀江にも公衆トイレを設置してもらいたいのですが、本ブログでも繰り返してますが大阪府・大阪市はアンチ公営競技を率先した黒歴史時代があり、今も尚、当時の共産党系の首長の意向を踏襲していることから公営競技からの支援を要求できる立場にないように思います。

 

design toilet

 

1月にはサイクルショップ203の最寄り駅の大阪メトロ「西大橋」(大阪市西区北堀江1丁目)の駅トイレにて腹部を刺される事件が発生、人に目に付きにくい閉鎖的な多目的トイレのつくりに不安の声が上がっていました。大阪市内では大きな公園にしか公衆トイレはなく、堀江公園のような規模の小さい公園にはありません。はるのおがわプレイパークでは、フットサルを楽しむ子供やペタンクをしている老人がいましたが残念ながらトイレがない堀江では近隣住民を対象とした小規模なイベントしか開催できません。

同じ大阪府でも私の故郷の箕面市はボートレースを主催していて、どの公園にもだいたい公衆トイレくらいはあったので、大阪市内に転居した当時はたいへん戸惑いました。本年末にはボートレースの収益金を活用し、北大阪急行が延伸され大阪メトロ御堂筋線の終着駅が千里中央駅から「箕面萱野駅」となる予定で、箕面市は新しい商業施設や図書館などと合わせた都市計画を推進、大阪大学の新キャンパスの誘致にも成功しました。大阪市・大阪府は緊縮体制で赤字解消に取り組んでいますが、個人的にはなぜかつてのように公営競技を実施しないのか、本当に不思議で不思議でなりません。

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