アジア最大級の自転車イベント台北サイクルショー。
世界各地から多くの来場者を集め、今後の自転車業界のトレンドをうらなう重要なイベントとなっています。
その中で今年最も注目を集めていたのは地元台湾の自転車アクセサリーメーカーTOPEAKのブースでした。
同社はポンプや工具などのサードパーティ的な自転車用品の製造で非常に評価が高いメーカーで、かゆいところに手が届いた製品を安価で数多くラインナップしています。
2017年リリースされる「LOADER」シリーズは北米を中心に流行の兆しがうかがえるバイクパッキングを体系化した新シリーズとなります。
バイクパッキングとは、バイク(スポーツ自転車)+バックパック(アウトドア鞄)+ingを組み合わせた造語で、米国オレゴン州やアラスカなど、主にマウンテンバイクやファットバイクを使用しておこなうライトツーリングで、従来の日仏のツーリングの概念と大きく違う点は、金属製キャリアを使用せずに大型の高性能防水バッグを使用するといった点です。
このようなスタイルのツーリングはまだ始まったばかりで、使用するバッグ類もミシンひとつで製造されたカスタムメイドの製品しか選択肢がなく、商品は高価な上、直接的なオーダーが必要で、東アジアまで広く流通することはありませんでした。しかし、TOPEAKの「LOADER」シリーズの登場で状況は一気に変化を見せそうです。
リアバッグ:最初に装備したいのはシートポストとサドルレールを使用し取り付ける大型サドルバッグ「backloader」です。サイズは6リットルと10リットルがあります。本体価格は6リットルが¥6600で、10リットル(2017年6月発売予定)が¥7700です。5kgくらいまでの重さの荷物を入れれるので、普段使用している鞄をそのままリアバッグに入れて使用することができます。
取り付けにはバッグ底とタイヤまでのクリアランスが10cmほど必要になります。
トップチューブバッグ(右上):ステムとトップチューブでトップチューブ上に固定する小型バッグ「toploader」は、カメラやスマホ、菓子類などの携帯に便利。本体価格は¥3300。
フレームバッグ(中央):自転車の前三角用バッグ「midloader」は3リットルと4.5リットル用があり、基本的に重い荷物を収納します。自転車の形状によっては装着できなかったり、ボトルケージがつかなくなってしまうこともありますので注意が必要です。本体価格は3リットルが¥4400、4.5リットルが¥5500です。
ハンドルバーバッグ:ハンドルバーに荷物を装着すると操作性が大きく落ちてしまいます。寝袋や衣類など軽量でかさばるけれども、使用頻度の低いものを収納する「frontloader」は8リットルで画像のようにストラップを使用し荷物を保持することができます。本体価格は¥7700。
ママチャリの習慣で日本人はスポーツサイクルに「前カゴ」をすぐに装着したががるのですが、ハンドルバーバッグ以上に自転車の基本性能を損ないますので、バックローダーなどのリアバッグの使用を試し、それでも納得のいかないのでしたら、熟慮の後、最終手段として「前カゴ」は装着ください。
関係者に話を聞くと、インターバイク(米国のサイクルショー)では台北ショー以上にバイクパッキングが盛り上がりを見せていて、今後も雨後の竹の子のようにバッグメーカーが新商品をリリースしてくるのではないかと予想しているそうです。
本場の米国ではマウンテンバイクの楽しみ方の一つと考えられていますが、日本では近年マウンテンバイクの利用が減少してきていますので、グラベルロードやシクロクロス、クロスバイクなどを中心に流行するのではないかと考えられています。「バイクパッキング」という言葉自体も明確な定義があるわけではないバズワードなので、私は「ピストバイク」のように拡大解釈され、広がりをみせていくのではないかと思っています。
日本も暖かくなってきて、バイクパッキング上陸後はじめてのツーリングシーズンをむかえるわけで、どれほど日本で流行するか楽しみです。