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BROOKSの本革サドルの後部に付いてるこの金属フックってなに?

ツーリングやアンティーク車などの愛好家に絶対的な支持を得てるブルックスの本革サドル。熟練の職人が手作業で丁寧につくられる英国製サドルで、世紀を超えて多くのサイクリストに使用されている名品です。

 

美しいフォルムに目がいきがちですが、後部に付いているこの金具の使用の方法はご存知ですか?

brooks saddle

両側に5x20mm程の横長の穴が開いた金具はひっくり返すと裏側でつながっていて、表面素材の牛皮を補強する構造になっています。この金具のフックの部分は、サドルループと呼ばれ「team pro」や「colt」などの一部のモデルを除き、ほとんどの同社の本革サドルについています。

 

 

専用サドルバッグとともに使い込む

 

サドルループは専用の小型鞄を取り付けるための取付穴で、専用品のツールバッグ「Challenge」やサドルバッグ「Millbrook」などを装着し使用します。

 

 

challenge
Challenge Bag  ¥11,400

ツールバッグ「Challenge」は上質なレザーでつくられた小型工具入れで、ふたを留めるベルトが、中に収納した工具を固定するベルトを兼ねていて中で音をたてたり暴れるの防ぐ設計になっています。

 

 

 

millbrook
Millbrook  ¥20,600

防水コットン製の中型のサドルバッグ「Millbrook」は2本のベルトでブルックスサドルのフックに装着できます。地図やカメラ・携帯食など日帰りツアーにぴったりの容量です。1950年代の復刻モデルです。ショルダーストラップ付。

 

 

 

brooks glenbrook
Glenbrook    ¥23,600

両サイドにポケットがついた、1950年代のモデルを復刻した防水コットン素材の大型サドルバック。1泊ツーリングにも対応する容量。2つのベルトでブルックスサドルのフックにしっかりと固定できます。ショルダーストラップ付。

 

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raleigh brooks
▲ 1960年代のラレー・インダストリー社(アメリカ)の古いカタログ
かつてはバッグの種類も多く、「milibrook」や「grenbrook」も掲載されています。

 

新たな自転車の100年が始まる、茅ヶ崎美術館 企画展「自転車の世紀」

茅ヶ崎市美術館で開催されていた企画展「自転車の世紀」を見てきました。

 

chigasaki cycle

東京・品川からJR線で1時間弱、神奈川県の中部に位置する茅ヶ崎。サザンオールスターズゆかりの地としても知られるこのまちは、2017年でちょうど市制70周年をむかえるそうです。日本最古の自転車レースが開催された場所でもあり、かつてはミヤタが本社を置いていたこともありました。「人と環境にやさしい自転車のまち」を目指しているようで市立美術館で開催されていた 企画展「自転車の世紀」にいってきました。

 

 

chigasakimuse

茅ヶ崎美術館はJR茅ヶ崎駅より南へ歩くこと10分ほど、静かな住宅街のなかの緑地公園内に所在します。それほど大きな都市でもないのに市営の美術館があるとは文化水準が高いですね。同館で直接アートではない展覧会が開催されるのは初めてのことだそうです。

 

 

chigasaki bicycle

少しブログの更新が遅れてしまって、企画展は終了してしまっていますが、下記のスケジュールで今後他の美術館で開催されますので、ぜひ見に行ってください。

 

<企画展 自転車の世紀 開催スケジュール>

・茅ヶ崎市美術館 2017年4月9日~6月4日 (終了)
・郡山市立美術館 2017年7月22日~9月24日
・佐倉市立美術館 2017年10月28日~12月17日

 

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自転車誕生200年、自転車は富裕層のおもちゃとして考案され現在では世界中で移動手段やレジャー、運搬などに使用されています。企画展は4章構成で、自転車の登場から歴史、生活文化、芸術、未来像など21世紀における価値の可能性を示唆する展示となっています。

 

1.自転車の辿った道
自転車誕生200年の歴史を貴重なアンディ―ク車とともに紹介しています

 

tricycle
▲1890年 フランス製の子供用トライシクル(三輪車)

ordinary  safetybicycle
左/1884年製の大きな前輪のオーディナリー自転車
右/1892年製のチェーンドライブ式セーフティ自転車(安全型)

 

chigasaki bijyutsukan
▲1969年 フランス製 ルネ・エルスのスポーツ自転車「ロンシャン

 

 

 

2.描かれた自転車
美術館らしくポスターやカタログ、錦絵、漫画などを紹介しています

uenokouen
▲ポスターやカタログ、浮世絵などが展示されています

 

yowamushipedale▲累計発行部数1600万部のオタク漫画「弱虫ペダル」の複製原画。「タッチ」や「スラムダンク」同様に落ちこぼれの高校生が部活動を通じて成長していく王道路線のスポコン漫画。

 

 

 

 

3.自転車の活用 - 日常・ビジネス・ファッション
20世紀になり自転車は生活に不可欠な実用品として普及します

 

cyclewear▲ 通気性や軽さを追求したサイクルジャージ

tweed run
▲ クラシックな自転車にツイードジャケットを着たスタイルでグループサイクリングをするツイードランがロンドン,大阪,ニューヨークなど世界各地で開催されています。

 

 

 

 

 4.モビリティの未来
20世紀は「自動車の世紀」といわれたが、21世紀は「自転車の世紀」となるのだろうか。環境問題や交通渋滞対策など自転車が社会問題を解決する自転車革命の可能性をさぐる
cherubim
▲ 英デザイナー集団TOMATOのリーダーと日本のフレームビルダー今野真一氏が共同でデザインした近未来的なフレーム構造

 

 

 

 

 

 

|| 茅ヶ崎市美術館

chigasaki muse 2017 the century of bicycle
住所:神奈川県茅ケ崎市東海岸北1-4-45
アクセス:JR茅ヶ崎駅 徒歩8分
営業:10:00-17:00 (月曜閉館)

【名車紹介】加藤一氏のエルス「LONGCHAMP」をみてきました

神奈川県茅ケ崎市にて開催の「自転車の世紀展」に行ってきました。
展示自転車の中の1台、1969製作 ルネ・エルス「ロンシャン」を本稿では紹介します。

chigasaki bijyutsukan

ルネ・エルス(1908~76)はフランスの名工で「パリの宝石」と称されるほど美しく贅沢な自転車を精力的に製作し、昭和中期以降の日本の自転車文化にも影響を与えた故人です。エルスは日本人向けにも数百台の自転車を作成しましたが、その中でも沼勉氏がオーダーした「RANDONNESE(ランドヌーズ)」と加藤一氏の「LONGCHAMP(ロンシャン)」は研究素材とされ格別なあつかいをされている名車です。

加藤氏は元競輪選手で、引退後はフランスに移住し画家として活動され、沼氏の紹介でエルスの工房を訪れ、オールメッキのこの現車をオーダーしたそうです。時期としては沼氏の「ランドヌーズ」のオーダーの2年後の69年のことで、加藤氏は沼氏のオーダー時にも立ち会っていたそうです。

 

lyli herse

エルスの自転車は1954年に日本の自転車研究の第一人者である鳥山新一氏が初めて国内に持ち込み、以来、東叡社やニューサイクリング誌を選好する当時の趣味人によって日本のツーリング車の理想像とされてきました。60年代後期は比較的舶来部品も容易に入手できるようになり、日本からの難しい注文も増加していた時期のようです。

 

herse longchamp

「ロンシャン」は簡易のマッドガードが付いたロードバイクで、ホリゾンタル型の美しいシルエットをしています。ダニエル・ルブールの線画カタログでは、コロンバス製のフレームとなっていますが…

 

rene herseフレームパイプはレイノルズ社製のマンガンモリブデン合金、加藤氏の注文でロゴは白い塗料で手書きされています。そして、ボトル台座の位置がダウンチューブではなくシートチューブになっています。

 

 

reneherse stem

ジュラルミン鍛造の角材から削り出された完全ハンドメイドのエルス自作のステム。突き出し部が空洞でブレーキワイヤーのストッパーが設けられています。

reneherse stem

 

 

 

 

reneherse longchamp   bluemels
左/ ブレーキワイヤーは穴あけ加工されたフレーム内に取りまわされている
右/ リアのテールに反射板の付いたブルーメルの簡易フルフェンダー

 

 

colombus

 

駆動系などのパーツは「MILANO-SAN-REMO」のレーシーな仕様にカスタマイズされています。

campagnolo 1969      huret reneherse
右 /Fメカはカンパのレコード、フロントギアはトリプル
左 /リアメカはカンパのヌーボレコード 6スピードの高速仕様

 

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herse milan-sanremo
▲ 参考 -レイノルズフレームにカンパドライブの「MILAN-SAN-REMO」

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1969 saddle

サドルはユニカのブラックの革貼り

 

longchamp 1969

ブレーキはシートステイに設けられた台座を使用、ブレーキアーチ内側とタイヤの間にドロヨケを通されています。

 

reneherse 1969

| Longchamp ロンシャン (1969年製)

<SPEC>
フレーム: レイノルズ531 クロモリ シルバーメッキ
変速:カンパニョーロ 3×6速
ブレーキ:ワインマン センタープル
タイヤ:クレメン ロード用
サドル:ユニカ
ステム:エルス
ドロヨケ:ブルーメル
ペダル:カンパニョーロ

 

 


 

 

chigasakimuse

この「自転車の世紀展」では東叡社のツーリング車 1968製「パリ・ブレスト・パリ」とあわせてわかりやすく展示してありました。

herse paris-brest toei paris-brest
左/エルス「PARIS-BREST」
右/東叡社「パリ・ブレスト・パリ」

 

LEZYNE USB充電の前照灯「HECTO DRIVE」に新色追加

レザインの大光量LEDライト「HECTO DRIVE」に新色が追加されました。

lezyne hecto

マウントレスで簡単にハンドルバーに着脱できるコンパクトボディの人気のLEDライト「HECTO DRIVE」の新色のブルーとレッドが登場です。ハイパワー/ローや点灯/点滅モードがあり、最大400ルーメンのハイパワーで1時間使用可能です。価格そのままで従来品よりより明るくなっていてボディに色が付いただけでなくちゃんと進化しています。

lezyne usb

CNC削り出し仕上げのボディをアルマイト加工し美しい外観となっています。
ワイヤーなしで充電することができ経済的でエコロージー、耐水性も非常に高く雨でももちろん使用できますし、汚れたら水洗いも可能です。重量もマウント込みで82gと軽量、充電式ですので乾電池も不要です。

lezyne hecto

本体価格は3990円
近日入荷予定です。

lezyne hectodrivelezyne hectodrive

ブラックとシルバーも好評発売中です。

MKS 最高級両面踏フラットペダル「SYLVAN TOURING NEXT」

1979年の発売以来、いまも絶大な人気を誇るMKSのラットトップ型ペダル「SYLVAN TOURING」に従来のカップ&コーンからメンテナンスフリーで回転性能の良いトリプルシールドベアリング(※)を採用したハイスペックシリーズ「NEXT」が発売されました。

mks sylvan touring next

 

鏡面メッキ仕上げされた美しいアルミ製ボディに滑り止め山型トレッド部を上下対称につけたクロムメッキの側板、従来から変わらないデザインと踏み心地のまま効率よくペダリングできるようにスタックハイトが見直され重量も53g軽くなりました。

 

mikashima sylvan

左右幅広な踏み面となめらかで回転抵抗が少ないベアリングは、疲労を軽減しペダリング効率を高めるため長距離ツーリングに最適です。またクオリティを求めるビンテージ車にもマッチします。

重量は338g、本体価格は7000円で
2017年6月発売です。

三ヶ島のペダルは100%日本製です。
また、2600人の競輪選手そのすべての選手が使用しているメーカーです。

 

 


 

MKS ezy next

工具なしでペダルの着脱が容易にできる「Ezy Superior」システム採用タイプ「SYLVAN TOURING NEXT Ezy Superior」も同時発売、価格は11,600円です。
三ヶ島のシルバンペダルシリーズで「Ezy Superior」対応は現在このペダルのみです。

 

 


 

トリプル シールド ベアリングとは

mks pedale

 

 

青山アートスクエア「自転車とモード展」をみてきました

青山アートスクエアで開催中の「自転車とモード展」を見に行ってきました。

aoyama art square

青山アートスクエアは、伊藤忠商事の東京本社ビルの隣で、同社の社会貢献の一環として運営されているアートギャラリーです。毎年5月に、日本サイクリング協会や自転車文化センターなどの後援を受け、自転車に関する催しが開催されています。

 

aoyama art square
2017年は「自転車とモード展」と題し、八神商会の門外不出のコレクションを大型ポスターや錦絵とともに自転車の黎明期からの変遷を振り返る企画展です。

 

 

 

yagami cycle

自転車関連企業でもない伊藤忠商事が、自転車展を開催するとだけでも自転車屋としては嬉しい話なんですが、毎年継続的に入場無料で開催しているというから驚きです。

 

humber cycle

展示の自転車は20台はどあり、当時の販促ポスターと一緒に展示することにより、自転車の特徴や雰囲気などが伝わるだけでなく、単なる実用品である自転車が本来の姿を超え芸術作品となっています。回を重ねているだけあって、小規模ながら見どころも十分です。

 

tricycle     vintage cycle

 

 

全く自転車に興味がない人にもわかりやすいうえに、自転車の研究者でもほとんど目にしたことのない貴重な自転車が並んでいます。なかでも1890年代のフランスの一輪車「モノサイクル」は、世界に2台しか現存せず非常に貴重な展示となっています。もう一台は、米国のスミソニアン博物館が所有しているようです。

monocycle

monocycle detail  1895 bicycle

 

 

1932年製のロイヤルエンフィールド社の婦人用自転車を囲むように、自転車が描かれている明治から昭和初期の錦絵25点が、現在の同じ場所の写真ともに展示。明治から昭和初期、東京という都市が、自転車の普及とともに成長し今に至っていることがわかります。

現在は自転車をママチャリと呼称するほど女性にまで普及していますが、女性普及率が1割を超えてきたのは昭和中期以降のことで、当時は裕福な家庭で育った活発な女学生や緊急をようする産婆(助産師)など一部の人に限られていました。

royalenfield

 

 

1868年製ミショー型自転車

michaux
ミショー型は1860年に発明された前輪駆動の自転車で、地面に足をつけずにペダルをこいで走行できる最初の自転車です。その後、85年にスターレーによってチェーンドライブ式の安全型自転車が販売され、88年には空気入りタイヤがダンロップ博士によって発明され飛躍的により心地が向上。そして、1902年にはアメリカでライト自転車会社のライト兄弟が初の飛行に成功します。

 

 

「自転車とモード展」は5月28日(日)まで開催されています。

 

aoyama cycle

 

 

|| 青山アートスクエア

住所:東京都港区北青山2-3-1
運営:伊藤忠商事株式会社
アクセス:東京メトロ 銀座線駅「外苑前」 徒歩2分
営業:11:00-19:00
料金:入場無料

 

| 自転車とモード展

itochushoji 2017

 
|| 八神商会
<沿革>

1949年  八神史郎氏、名古屋地区最大の自転車メーカー日帝工業入社
1951年  史郎氏、日帝の貿易部門にてアジア輸出配属
1959年  伊勢湾台風で日帝が壊滅的被害、史郎氏が貿易部門を引き継ぎ八神商会を設立
1960年  八神商会、台湾現地法人を設立
1996年  名古屋市内に「サイクルギャラリーヤガミ」を開設
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