自転車業界で今、1冊の本が注目をされています。
グラント・ピーターセン著「ジャスト・ライド ~ラディカルで実践的な自転車入門」
昨年2016年11月に発売されたこの本は、米国人で自転車メーカーのRivendell創業者の男性グラント・ピーターセンの「JUST RIDE」の翻訳書で、長年自転車業界で仕事をしている著者が自身の経験則から、業界の常識や米国自転車文化をシニカルに批判し、自転車を素直に乗ること自体を楽しむことを主張しています。
自転車レーサーは「ホイールの神々」だ・・・・・などという考え方は差別的だし、イカレてる
著者の矛先は自転車の製造業者や小売店、スポンサーや愛好家など全方向におよび、特に現在の自転車レースのあり方に大きな疑問を抱いています。共感できる部分も多いのですが、文体に品はなく、まるでマイケル・ムーア監督のドキュメンタリーを見ているようです。
ピーターセンの主張は8つ
①ライディング
②装備
③安全性
④健康とフィットネス
⑤アクセサリー
⑥維持
⑦専門知識
⑧自転車哲学
幼少期から自然に自転車に乗る日本と異なり、クルマ社会の米国においては自転車は常にオルタナティブな存在で、移動や買い物用として使用する大人は少なく、競技スポーツやレジャーのひとつとして特別な日に使用するという感覚のユーザーが多い現状があります。
著者のようなもっぱら自転車に乗っている大人はそれこそ変わり者で、「ジャスト・ライド」(只、自転車乗れ)といった主張は、日本人にはいまいちピーンときませんが、米国人にとっては非常にラディカルな発想のようです。
よろしければ、一読下さい。
Rivendellの自転車やタイヤはまさかの日本製です。
▲ Rivendell 「Rambouillet」¥ 285,000 (受注生産)
▲ Rivendell ケブラータイヤ「Ruffy Tuffy」 700x28c ¥ 4,800