梅田北ヤード跡にできた都市公園「グラングリーン大阪」が一部開業したようなのでに行ってきました。
関西最後の一等地とされ再開発が進められているうめきた、大型複合施設「グランフロント」に次いで西側に広大な芝生公園と商業施設・ホテル・オフィスビルなどが段階的に開業し、2027年頃までに全体がまちびらきとなる計画となっていて、関西経済の起爆剤として注目を集めています。
ご存じの通り梅田は日本屈指の商業エリアで、すでに多くの商業施設が林立し2010年代にはオーバーストアを懸念されていました。阪急・阪神・大丸の老舗百貨店やヨドバシ・ルクア・HEP等の人気テナントに加えて今夏にはJPタワー「KITTE大阪」や大阪ステーションシティ「イノゲート大阪」が誕生し、関西万博をひかえてさらに拡大しています。グラングリーン大阪は植栽や街並みが見事にレイアウトされ、都市の価値を創出がこれまでにない規模で提案され、ごちゃごちゃした大阪のイメージを大きく変える憩いの空間となっています。
更地だった5年前、この場所で自転車イベント「BIKERORE」が開催、特設の自転車土走路コースやブースが出展され、開放的なアウトドア空間に多くの人が魅了されていました。もともと国鉄の操車場だった広大な敷地が、すべての人を受け入れる都市機能を備えた理想的な空間となっています。
ミナミや京都と比べてインバウンド需要を取り込めていなかった梅田、忽然と姿を現したユートピアで巻き返しとなるのでしょうか。
▲自転車イベント「BIKERORE」会場となったうめきた 2019年3月撮影
JR北側の開発が盛んな一方で南側の「ブリーゼブリーゼ」「E-ma」などのファッションビルに空きが目立ち、阪急線を挟んだ東側の茶屋町もLOFTが閉店を発表するなど勢いを失っています。再開発はまだ中途で、公園もつくりかけなのでなんともえいませんが、南港「ATC」やJR難波「OCAT」のように予定通りに開発が進まず不採算化した事例もあり、期待通りになるのか注視したいです。
一般的な商業施設はオープンの日が最高潮となり、次第に客数が減っていくものなのですが、官民が連携したパークPFI事業は、樹木の生育などの循環型環境の構築を周辺住民や公園利用者を巻き込み実現していくため、イベント等でいかに利用者をとりこみ、賑わいを創出できるかがキモとなります。
▲うめきた広場で開催された「DOWNTOWN BMX」 2023年8月
しかしながら、グラングリーン大阪は園内に駐輪場がなく、10分以上離れた有料の駐輪施設を利用しなければいけません。大阪城公園や天王寺公園(てんしば)には園内に無料の駐輪場があり、ドア・ツー・ドアで公園に直接行くことできますが、うめきた公園にはそのような気軽さがないのです。
中之島公園や大泉緑地ののように園内にサイクリングコースをつくれと言っているのでなく、日常生活の延長として公園を利用できるように設計する必要性があるように思います。都市交通を人体に例えるなら、鉄道は大動脈、自転車は毛細血管となります。血栓ができては健全な街となりません。
実際に大阪で日常的に利用されている自転車はママチャリで、読んで字のごとく子育て女性(ママ用自転車)です。私はこのままでは、うめきた公園は大阪の子育て世代に支持されない公園になるのではないかと危惧しています。人の多い梅田駅から1駅ほどの距離を歩くのも子連れには大変ですし、わざわざ駐輪料金を払うなら「てんしばでええわ」となるのではないでしょうか。大阪市は毎年6万台以上自転車撤去がされるほど駐輪施設が充足していません。駐輪場がないのが設計ミスなのか、これから造るのかは分かりませんが、グラングリーン大阪にはエコロジーで社会課題を解決が期待されています。