すでにニュースなどでご存知かもしれませんが、ブリヂストンが製造した自転車343万台が、走行中にハンドルにロックがかかってしまう恐れがあるとして、リコールが出されています。
走行中にハンドル操作ができなくなる恐れがあるとして、ブリヂストンサイクルとヤマハ発動機は24日、電動アシスト自転車を含む自転車のリコール(回収・無償修理)を発表した。経済産業省によると、対象は2003年9月~15年5月に製造されたもので、計約343万台にのぼる。ハンドルがロックしたため、使用者が転倒して重傷を負った事故が17年以降、3件あったという。
両社によると、対象の自転車は「一発二錠」と呼ばれる機構を搭載していて、後輪を施錠するとハンドルロックもできるという。ハンドルロックのケース破損などで誤作動し、走行時にハンドル操作ができなくなる事故が起きた。詳しい原因は調査中という。 (2019年6月25日 朝日新聞デジタル)
後輪を施錠すると、ハンドルが固定される盗難防止を目的とした機能で、走行中の振動などで錠が誤作動してハンドルがロックされて操作ができなくようです。リコール情報は、両社の公式サイトに掲載されているだけでなく、343万台と規模が大きく、新聞、テレビ、情報サイトなどに取り上げられています。
該当製品をお持ちの方で、ハンドルロックのケースが破損している場合はすぐに自転車の使用を中止し、メーカーに連絡をお願いします。
画像:経済産業省サイトより
サイクルショップ203ではブリヂストンの取り扱いはありませんが、2003年頃、私は同車を取り扱う自転車販売店に勤務していました。製造物責任法が10年間ですので、私が20代半ばころに販売した自転車が回収されるということに驚いています。事故は2017~18年の東京都に集中して、メーカーは詳細は調査中としています。
ブリヂストンサイクルは2010年にも、自転車用ベビーシート「ロイヤルチャイルドシート」がリコールとなっています。その際は、チャイルドシートの改良に熱心に取り組み、最近では同乗者の安全性が高い電動アシスト車を中心に、子育て世代の支持をえています。
しかし、今回の件で私が残念に思うことは、「ハンドル固定機能」という、ユーザーからそれほど必要とされてもいない機能を付加価値とし、同社が結果として独り相撲を取ったことです。
開発努力の方向性が、なんかずれている。
サイクルショップ203が、国内トップメーカーであるブリヂストンを取り扱わないのも、品質が低いからではなく、ブランドイメージがなんか違う、なんかずれている、からです。
タレントを表紙にしたカタログ、ホームセンターや通信販売による販売経路、国内市場に限定した製品ラインナップ…
日本で1年間に販売される自転車がおよそ800万台、343万台のリコールというのは相当な数です。個人的にはこれをきっかけに世界で競争できる自転車企業へと変貌して欲しいと思います。