自転車には定期的に交換しないといけないパーツがあります。タイヤ・チューブやブレーキシューなどのゴム製品は消耗品であり使用頻度が多かったり、保管状況が悪ければ1年も持たずに交換となります。また、自転車のチェーンも経年劣化や消耗によって伸びたり、さびたりする為、2年に1度程度交換をお願いしています。
交換用としてサイクルショップ203で使用しているチェーンはすべて十分な強度、耐久性を持っていて品質的、構造的には全く問題はありませんが、腐食の状況を調べるため6種類のチェーンを100日間、水に漬けて経過を観察してみました。
日本製の和泉チエンのシングルチェーン1本、完成車でよく使用されているKMC社から4本、そしておなじみシマノの8速用1本。それぞれ「1コマ」ずつカラーの結束バンドをつけ、水にいれました。
≪6種類のチェーン≫
黄=和泉チエン シングル用
白=KMC Z410RB
黒=KMC Z410カラー(ブラック)
緑=KMC Z50
赤=KMC Z7
青=シマノ CN-HG71
外気にさらすのではなく水没させるという過酷な状況なので「1週間くらいで錆びてくるだろう」と考えていたのですが、意外と錆びないもんなんですね。
30日が経過したので1度水から出し、腐食具合をチェックしたのですが、目視では外観にほとんど異変はありませんでした。劣化というほどではありませんが、黒のKMC Z410の塗装の一部が剥離しています。
60日経過、再びチェック。
著しい劣化はありませんが、緑のZ50の内プレートと赤Z7の外プレートの内側にわずかに錆が確認できます。
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≪結果発表≫
100日経過、観察終了。
それぞれを見てみましょう。
6種類のなかで唯一国産の和泉チエンのシングルチェーンです。内プレートにもらい錆びがありますが、手で触れるとサビは簡単に落ちました。ローラーも新品同様に円滑に可動します。
500時間の塩水噴霧試験をクリアするラストバスターコーティング採用のKMCのシングルスピード用チェーン「Z410RB」ですが、内外プレートおよびローラーに軽度のサビが見られます。
KMCの「Z410」のカラーチェーンの黒ですが、「Z410RB」と同様にサビがみられます。塗装も剥離している部分があります。
6&7速用チェーン「Z50」は今回一番状態が悪く、交換が必要なレベルまで腐食していました。本体価格はZ410RBと同じで最安値(¥1430)ですが、塗装もラストバスターコーティングもされていないためか防錆性は低いようです。
6~8速用チェーン「Z7」は外プレートがZ型にシェイプされニッケルメッキ加工がされたチェーンですが、ローラーに軽度のサビがみられ、外プレートの内側ももらい錆びがでていました。
シマノの8速チェーン「CN-HG71」は最もポピュラーなチェーンで完成車にも多く使用されています。リンク部分は無傷にみえますが、なぜか内プレート外側にサビがでています。状態としては和泉チェンに次いで良好で走行に影響は全くないのではないでしょうか。
※ 写真では伝わり辛い部分もありますので、使用した現物はサンプルとして店においておきます。チェーン選びの参考にしてください。
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チェーン選びの注意点としては、まず、リア変速の数によって使用するチェーンの厚さが異なりますので7速なら7速用チェーン、シングルならシングル用チェーンといった具合に適合するチェーン使用してください。取り付けにはチェーン切りという工具で長さ調整をして取り付けを行います。ちなみに、サイクルショップ203ではチェーン交換の工賃は1000円です。
また、自転車のチェーンは月に1回程度注油が必要です。注油をしないと円滑な駆動が行われずチェーン寿命が短くなってします。注油は無料です。