(前回の続き)
熊野古道・紀伊路のある大阪の上町台地の歴史は古く、大化の改新後に難波宮に遷都したのが646(大化2)年、聖徳太子が四天王寺を創健したのがそれよりまだ半世紀古く593年のことだそうです。
ただ、これだけ古いと不明確でいまだに分かっていないことも多く「聖徳太子は本当に存在したんだろうか…」といった歴史家の疑念もあるようです。
今回はそのような歴史ミステリーの第四王子・上野王子の周辺のポタリングです。
|四天王寺~大江神社 所要時間10分
上野王子は四天王寺を守る「四天王寺七社」のひとつ「上之宮神社」にあったとされています。
しかしながら、この「上之宮神社」がどこにあったのか正確な位置がわからず、今に至るまで謎のままになっています。
四天王寺は大阪人だけでなく、日本人なら誰しもが知る最も有名な寺院のひとつです。文化・文明の礎を築き、日本人の思想に深く影響を与えています。ターミナルの「天王寺駅」からも近く、由緒ある寺院ながら我々に身近な存在です。
創健時に外護として堀越神社、上之宮神社など七つの社が造営されたそうですが、合祀の末、四社が現存しているようです。上之宮神社は大江神社に合祀されているため九十九王子の第4の王子「上野王子」も、そこに移設されているということになります。
大江神社は谷町筋から市内屈指の名門私立校「大阪星光高校」のわきの路地を奥に入っていったところにあります。大きな通りには面しておらず、分かりやすい案内看板もでていないので、周辺住民以外は探さないと見つけにくいかもしれません。自転車はこういう隠れた歴史スポットの観光にうってつけです。
谷町筋側から境内にはいるとすぐに社殿がありお参りをしてから、合祀された「上野王子」の碑を探してみましたが、残念ながらそれらしきものは見当たりませんでした。
そのかわり、この神社は境内に狛犬ならぬ「狛トラ」が祀られ、地元の阪神タイガースファンによって厚く信仰されていて、メガホン等が供えられています。ゆわれはよくわからいそうですが、1000年を超える歴史を持つ由緒ある神社もタイガース信仰の聖地となるとは、さすが大阪。
「優勝はならずとも、せめて二位の程!矢野タイガース根性みせよ」
「コロナウイルスに打ち勝つ藤波よ いざ牙をむいて完全試合を」
虎党たちの熱き願いが込められた札が並べられ、独特の雰囲気を醸し出しています。こんな神社は他にはあまりないでしょうしょうね。
そういえば、コロナで中止していたレンタルサイクルを再開しました。
四天王寺周辺はサイクルショップ203から20分くらいなので、ご利用お待ちしております。
次は、第5王子・安倍王子に向かいます。
大阪府下の九十九王子で、唯一現存している王子です。
|大阪市の九十九王子
第1王子 窪津王子 (坐間神社)
第2王子 坂口王子 (南大江公園)
第3王子 郡戸王子 (高津宮)
第4王子 上野王子 (大江神社) ←今ココ
第5王子 阿倍王子 (阿倍王子神社)
第6王子 津守王子 (住吉大社)