徳島県に小松島にある「小松島競輪場」に行ってきました。
JR徳島駅から牟岐線で20分、県の東部の紀伊水道に面した人口3.5万のまち小松島。競輪場は市の中心部、南小松市駅より徒歩10分の海沿いに立地しています。
江戸時代にたぬきの縄張り争いがあったという言い伝えがあり、市ではたぬきをマスコットにしているようです。初めて知りましたが、この狸合戦の話は何度も映画化されたりしているみたいです。
役場や消防署のある市の中心部の通りを東に向かうと大きく分かりやすい黄色の入場門が見えてきます。
四国には5施設の競輪場がありましたが、2012年に香川県の観音寺競輪場が廃止となり、現在では各県に1ヶ所ずつ市営の競輪場があります。自転車競技法が施行された翌年の1949年12月に愛媛県で松山競輪が始まると、高知、高松と競うように矢継ぎ早に造られ、小松島は50年7月に開場、昭和・平成・令和と名勝負を繰り広げてきました。
ゲートをくぐり施設に入ると、子供が遊べる滑り台などの遊具があり、マスコットは名物のたぬきをモチーフにした「ポンスター」が出迎えてくれます。入場料は無料で、珍しく競走の実況は女性の方がされています。
バンクは一周400mの屋外型、海からの風がレースに影響を与えることがあるそうです。バンクは藍色にきれいに塗り替えられていました。この日は競走が開催されていて、許可を申請しその写真も撮るにはとったのですが、選手の撮影は「個人で楽しむ限りOK」で「ウェブ掲載はNG」だそうです。最近はいろいろあってそういう決まりになっているみたいです。ちなみに、同施設ではガールズケイリン(女子競輪)は、設備の都合で実施されたことはないそうです。
開場から70年が経ち潮風にさらされ老朽化して人影も疎らですが、奈良競輪場のように倒壊の危険があるとかではなく、見ようによっては1周回ってかっこよく見えます。繰り返しになりますが、「Onomichi U2」みたいに少し手を加えれば、もっとこの好立地が地域の活性化につながるのではないかと思います。
2017年に施行された自転車推進法では、自転車専用道や駐輪場の整備など12の基本方針を明示しています。 国はこの基本理念を実施する責務を有し、各都道府県は「都道府県自転車活用推進計画」し、地方公共団体は区域の実情に応じた施策を策定し住民に理解を深め実施していくように努めなければなりません。
この法律は少し踏み込んだ内容になっていて、12の基本方針の4番目に自転車競技のための施設の整備というのがもりこまれています。
「自転車競技の環境の整備」なら分かるのですが「自転車競技のための施設の整備」なのです。つまり、各市区町村は、競輪場(MTBやBMXパークでもいいけど)を図書館や公民館のように設けなければならないのです。
当ブログでは以前に大阪市内の競輪場が全廃された経緯を説明しましたが、大阪市には現在も「自転車競技のための施設」というのはありません。「大阪市自転車活用推進計画」を見ても具体的な計画は全く示されておらず、大阪市はいったいどうするのでしょうか。
小松島のバンクがきれいになったのがこの法の影響かどうかは知りませんが、コロナで競輪が一時中止になった時期があり、この期間を利用してリニューアルした施設も多いらしいので、またほかの競輪場も行ってみたいと思います。