木の葉も色づきサイクリングに最適の季節のなってきました。
本ブログでは6月から大阪市内の熊野古道をたどる旧街道サイクリングの投稿をしてきました。熊野三社まで続く参拝道にかつて設けられていた儀礼場「九十九王子」を自転車でめぐります。
前回は第4王子上野王子を目指して、虎党の守護神でもある大江神社に着いたところまでの投稿でしたが、今回は、さらに南進し、第5王子阿倍王子のある阿倍王子神社に向かいます。
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第1王子 窪津王子 (坐間神社)
第2王子 坂口王子 (南大江公園)
第3王子 郡戸王子 (高津宮)
第4王子 上野王子 (大江神社)
第5王子 阿倍王子 (阿倍王子神社) ←
第6王子 津守王子 (住吉大社)
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|大江神社 ~ てんしば 所要時間15分
大江神社から日本で一番高いビル「あべのハルカス」を目印に谷町筋を南下、大阪の主要ターミナル駅「天王寺」(大阪阿部野橋駅)の西側の天王寺公園は5年前に芝生化され「てんしば」と呼ばれ無料で開放され賑わいをみせています。
また昨年、2019年末には商業施設「i:na」(イーナ)がオープンし、アスレチックなどが体験できる有料ゾーンが新設、動物園内にも新しい施設を建設中で、維新改革の成果のひとつとして喧伝されています。
|てんしば ~ 阿倍王子神社 所要時間15分
てんしばからさらに谷町筋を南下、しばらくすると通り沿いに目的地の阿倍王子神社到着です。大阪府内の九十九王子で唯一、旧地に現存している神社で、広さはそれほどありませんが、参拝者が絶えず訪れていて周辺地域の方々から親しまれているような感じをうけます。
小山靖憲著「熊野古道」(岩波新書,2000)によると「王子」とは、本来、参拝道の途中で幣を奉ったり、般若心経を読んだりする場所だそうです。神社でお経をあげるのはなんだか違和感がありますが、装束をまとい実際にお経を唱えている方もいました。
阿倍王子は他の王子と違い現存するだけでなく、一帯は大阪市阿倍野区王子町と地名にもなっています。神社の向かいには「王子本通商店街」という昭和臭漂うさびれた商店街が形成されています。自転車を置いて少し散策をしてみると、予想通りシャッターが閉まった、年季の入った薄暗い通りが奥へ続いていました。
アーケードがなくなったあたりにも、パンチの効いた個人商店が点在し、昭和にタイムスリップしたようです。てんしばやハルカスからそう遠くないこの未踏の地とのギャップが甚だ刺激的です。
少し喉が渇いたので路肩の自販機で何か飲み物を買おうとすると、有名メーカーの缶入り飲料が50~80円というハードボイルドな価格設定だったので、あまりの安さに怖気づいてしまい、買えずに喉が渇いたまま退散しました。
|阿倍王子神社 ~ 安倍晴明神社 徒歩1分
阿倍野王子神社から歩いてすぐのところに陰陽師安倍晴明を祀る安倍晴明神社もあったのでそのまま歩いて行ってみました。
平安時代の921年、安倍晴明はこの地に生を受け、父に陰陽道を学んだそうです。
2001年に野村萬斎主演で映画化され、若い女性を中心に陰陽師ブームというのが起こりました。また、数年前にもフィギュアスケーターの羽生結弦選手が晴明をモチーフにした演目をするなど、同氏を題材とした作品が繰り返し作られています。
住宅地の中にある猫の額ほどの神社ですが、どこか神秘的な感じがします。
それにしても、味わいのある字やな…
九十九王子は和歌山県まで続きますが、さすがに遠いので次の第6王子の津守王子までで一度サイクリングは終了ということします。